ミーティングを活発にしていくために

How to Keep Your Meeting Alive (Item GSB-1)

 

それまでミーティングがなかった都市や町で、デターズ・アノニマスのミーティングがスタートすると、創立メンバーの希望や高揚の感覚だけで、何ヶ月間かは続けていくことができます。

これらの人々は、自分たちの金銭問題の解決は手の届くところにあると感じていますし、ミーティングを続けていけば、自分たちが直面しているどうしようもない借金から解放されるのだと素直に信じています。

しかし、どのようにしてこの奇跡が起こるのかを正確には理解していません。 ただ、自分たちの回復を信じて、ミーティングを始めることに全力で取り組むのです。

 

運がよければ、既に多くのミーティングが開催されている地域で経験をつんだDAのメンバーが引っ越してくることもあるかもしれません。こんな場合は、回復のプロセスへの確かな知識がミーティングにもたらされ、ミーティングは着実に発展していきます。

 

すべてのグループがこのような幸運に恵まれるわけではありません。いくつかのグループではミーティングを定着しようと努力しても、時がたつにつれてグループメンバーが減ってゆき、最後には誰も来なくなってしまうことがあります。ミーティングを始めたメンバーは、「ミーティングを始めたけれど、誰もやってこなかった」と嘆くことになります。ここで、2つの疑問が生じます。

 

まず、「借金の問題で今も苦しんでいる仲間のための中核となるグループになろうという努力は、徹底的で粘り強いものだったのか?」という疑問です。もし、本当にそうだとしたら、次の疑問が生じます。

つまり、「なぜ私たちはメンバーを維持できないのか?」という疑問です。

この2つの疑問に答えるなかで、私たちはグループの消滅を未然に防ぐ原理に焦点を当てることができます。

この原理は、これまで多くのDAグループで役立ってきたものであり、これからあなたのグループにとっても役立つものとなります。そのためには、ミーティング開催方法の形式的な外面的な要素と、創立に関わったメンバーのスピリチュアルな状態という内面的な要素の両方を検討してみることが重要です。

 

外面的な要素

ミーティングを成功させる第1の要素はとても単純なものです。たとえば、次のようなことを心がけてください。ミーティング会場が見つけやすいところにありますか? 簡単に会場にやってこられますか? 駐車スペースはありますか?

メンバーにとって便利な場所と時間にミーティングが開かれていますか? また、建物の入り口には、ちゃんと案内がしてありますか? また、ミーティングの部屋まで分かりやすくしてありますか?

新聞やケーブルテレビのコミュニティ・コーナーで、 DAの簡単な説明とミーティングの日時・会場の紹介がされたことがありますか? 会場の部屋の大きさはグループにとってちょうどいい大きさですか? 6人や8人のグループなのに、大きな講堂でミーティングを行っていたりすると、否が応でもグループが小さなものに思えてしまいます。ほんのちょっとした、こんな理由からだけでも、人々は次にはこなくなってしまうものなのです。

新しい仲間が、初めてミーティングにやってきたときに、誰かがその仲間を出迎えて、他のメンバーを紹介していますか? 新しい仲間のための文献が用意してありますか?

(General Service Officeでは、「あたらしい仲間への提案(Notes to Newcomers)」というリーフレットを用意しています。

これは、グループでコピーして無料で配布してかまいません。)

グループのメンバーは、あたらしい仲間に対しての心遣いや励ましをおこなっていますか?

 

このためには、いくつかの方法があります。

 

1 案内係(Greeter)を決めておきましょう、この係は休憩中や、ミーティングの終了後に新しい仲間に言葉をかけましょう。

 

2 もし必要なら、交通手段を提供しましょう。

 

3 ミーティングの後に「コーヒーでも一緒に」と さそいましょう。

 

4 たとえスポンサーになってくれるように頼まれなくても、新しい仲間を手助けするようにしましょう。

 

5 なるべく早いうちからサービス活動に参加するように働きかけましょう。(このことで、新たな仲間はミーティングを成功させるために自分たちも役に立つことが出来ることを知ることができます。)

 

ミーティングが夜に開かれているなら、ちょっとしたお菓子でも用意したほうがいいかもしれません。

例えば、金曜の夜に半径50マイルの範囲からメンバーがやってくるのなら、コーヒーと軽食ぐらい用意しましょう。

借金に苦しむ人たちは、「親切にされ歓迎されたい」という自分たちの気持ちを大切にしてくれる、このミーティングにまた参加してくれるでしょう。

新しい仲間に、電話番号を教え、その仲間の電話番号を聞いていますか?

そして次のミーティングまでの間に気楽に電話をかけていますか? この働きかけは、新しい仲間のミーティングにまた参加する可能性を高めます。

いくつかのグループでは、名前(ファーストネーム)、名字(ラストネーム)のイニシャル、 電話番号、電話を受けられる時間帯を書いたテレフォン・リストを作成して、新しい仲間に手渡しています。 グループが生き残るかどうかは最大の鍵は、ミーティングとミーティングの間にメンバー同士がどれだけ電話を掛け合うかにかかっています。

 

グループがまだ小さく、ミーティングが個人の家で行われているような場合、ついつい第7の伝統を無視したくなってしまいます。

しかし、これを続けるとグループは必ず失敗します。

つまり、個人レベルの借金問題をグループの運営に持ち込んでしまうことになるからです。

グループの生き残りの第2の重要な鍵は、グループとしての支出計画を発展させていくことにあるのです。たとえ、グループの献金が週に2ドルを下回ったとしても、グループの支出計画を作り上げることができます。会場の使用料、General Service Officeや地域のインターグループへの献金の額を計画していきましょう。グループの支出計画を作り上げていく中で、私たちは借金へのいいかげんな態度からの回復を実践していくのです。

 

内面的な要素

借金に苦しむ人たちをコミュニティーに参加させようとこんなに努力しているのに、どうして人々はたまにしかやってこないのだろう、なんですぐにいなくなってしまうのだろう?

 

考えなければならない2番目の要素は、中心となるメンバーの内的な状態に関わっています。

参加し続けてくれると思っていたメンバーがこなくなってしまうのは、私たちと会い、話を聞いても、強迫的借金からの回復とはどのようなものなのかを実感できないからなのではないでしょうか?

彼らの前で、 厄介な問題についてうんざりするほど話したり、債権者に対する悪口や普段の生活への不満を繰り返したりしていませんか? 私たちが、犠牲者であるかのような態度で、あるいは反対に勝ち誇った態度で話していませんか?

分かち合いの中で、私たちの直面している問題を話題にし、そしてその解決策を明らかにすることを心がけていますか?

そうです、私たち誰もが問題をかかえています。しかし、DAのツールと1 2のステップのおかげで、私たちの人生がより良いものへと変わってきていることを説明しさえすれば、新しい仲間は、わくわくするような思いで、借金の苦しみから回復することはこういうことなのだと理解してくれることでしょう。

 

DAのメンバーの中には、責任感が強すぎて、やってきたすべての仲間を助けようとする人がいます。

もし自分自身がそういう傾向に陥っていることに気づいたなら、そして、新しい仲間からスポンサーになってくれるように頼まれても、忙しすぎて無理な場合には、援助してくれることが可能な他のDAメンバーに紹介するようにしましょう。

もし、新しい仲間が途中でやめてしまっても、自分を責めるのをやめましょう。もっと現実的になって、例えば、仲間へ電話するように言ったときのことを考えましょう。もし、夜はずっと家にいないのなら、いくら電話をかけてくださいといっても、彼らの役には立たないのではないですか?

もし誰かが電話をかけてこなくなったのなら、 電話でその理由を確かめましょう。多分彼らは、グループが自分にあっていないとか、このプログラムは自分の役に立たないと思っているかもしれません。もし、そうだとしたら、そんなことはないのだと勇気づけてあげてください。

時々、グループの創立メンバーはグループを支配したいという欲求に陥って、支配に対して敏感で批判的な人たちを追い出そうとすることがあります。ミーティングの発足と日々の運営に当たって、多くの時間・ エネルギー・情熱をささげてきたその人が、グループを自分の思いどおりにしたいと考えてしまうことは理解できます。この誤りは、ステップ4からステップ9までを踏んでいくことではっきりさせることができます。そして、この誤りは、どんな犠牲を払っても避けなければなりません。

 

結 論

借金の苦しみからの回復は、何も無いところから生じるわけではありません。

ミーティングこそがその原動力であり、その中で、借金に苦しむ人々は借金をやめていくために必要な救いを見つけ、成功と問題を分かち合い、自分たちの強迫性を笑い飛ばす力を見出します。

そして、自分たちがこのプログラムとハイヤーパワーから受け取ったものを他の仲間に分け与えるのです。

すべてのミーティングを力強いミーティングにしていきましょう。